抜水摩耶作品集 “ Marguerite ”

4月 7th, 2013 | mayanukumizu



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ERECT Lab.より、
2/1に抜水摩耶作品集 “ Marguerite ”通常版、限定版が出版されました。

http://www.erect-magazine.com/home/4934

 

通常版の表紙は、シルバーに蛍光ピンクで刷られています。(画像上)

http://shop.erect-magazine.com/products/detail.php?product_id=53

 

限定版には、「マーガレット石膏像」付き。(画像下)
パッケージは、シルク+ドローイングの一点物です。(エディション50)

http://shop.erect-magazine.com/products/detail.php?product_id=52

更に、ERECT ONLINE SHOPからご購入いただくと
特製ステッカー二種類の特典付き。

 

作品集出版にあたって、心から尊敬してやまない、
田名網敬一先生、伊藤桂司先生、SHOHEIさん、河村康輔さん
よりコメントを寄せていただいております。

特別版の石膏像を制作してくれた弟のレオ、COCO。

私の夢を叶えてくださった
ERECT Lab.のみなさま、河村康輔さま、本当にありがとうございます。

 




抜水摩耶( MAYA NUKUMIZU )作品集 “ Marguerite ”
ERECT Magazine #003で、作品掲載中の抜水摩耶作品集が2013年2月1日に発売されます。“ Marguerite ”通常版に加え、特典の付いた50部限定バージョンの発売も決定しております。限定版の詳細については随時HPにて発表となっております。ERECT ONLINE SHOPでは、“ Marguerite ”通常版/限定版共に1月21日より購入受付を開始致します。2月1日には、発売イベントも開催されますので、皆様お誘い合わせの上、お越し下さい。

MAYA NUKUMIZU “ Marguerite ”
仕様 / Specification:ハードカバー / Hardcover
サイズ / Size:A4
価格 / Price:¥ 2,625(TAX IN)
発売日 / Release Date:2013年2月1日 / February 1. 2013
予約受付 / Reservations:ERECT ONLINE SHOPにて1月21日より受付
ページ数 / Page count:64pages

MAYA NUKUMIZU “ Marguerite 50 Limited. ”
特典内容:特別パッケージ/Marguerite石膏像
価格 / Price:¥ 4,725(TAX IN)
予約受付 / Reservations:ERECT ONLINE SHOPにて1月21日より受付開始
発売日:February 1. 2013 / 限定版の発送は2月1日以降の発送になります。

http://www.erect-magazine.com/home/4934

 

推薦コメント

京都造形芸術大学の大学院時代から現在まで、抜水摩耶の表現世界には「戦闘 的美少女」像を連想させる少女たちが繰り返し登場する。「リボンの騎士」「セーラームーン」「キューティーハニー」など、わが国固有の文化が生みだした戦 う少女のイメージは、現在なんの違和感もなく驚くほど広範囲に浸透している。可憐で無垢な少女たちの戦うストーリーは、実に奇妙奇天烈なのだが、みるもの を高揚させ、説得する不思議なリアリティーがある。それにくらべて抜水のキャンバスから浮かび上がる戦う少女たちは、戦闘的アニメのヒロインとは異質のエ ロティシズムと遊び心が溢れていて魅力的だ。動きのある一瞬を鋭く切り取った抜水独特の手法は、連続する時間の経過と、迷宮的物語を想像させる。画面を重 層的に構築する演劇に似た空間も、抜水作品の際立った特長だが、いくつもの錯綜した物語が同時進行してゆく複雑なドラマ構成も見応えがある。一枚の絵に仕 掛けられただまし絵空間と時間の流れ、みるものの解釈によって自在に組み換えられる虚構の物語は、今後ますます複雑に深化してゆくだろう。そして、抜水作 品を際立たせるもう一つの魅力は、無意識に放射される鋭利な直線と、性的妄想から生みだされた異状に長いまつ毛の怪しい曲線だろう。また、抜水の深層に潜 むフェティシズム、サディズム、マゾヒズムなどの倒錯的エロスと、性的な表現への強い関心も見逃せない。
「戦うWONDER WOMAN抜水摩耶」が、遥か天空に飛翔する日も近いのではないか。
田名網敬一

若い学生達との交流の中で、輝きを奥に秘めた原石との邂逅は、このうえない喜び のひとつだ。未知数だが強い跳躍力を予感させるただならぬ気配のなんと魅力的なことか。京都造形芸術大学で授業を受け持つようになった最初の年に、いきな り僕はその原石と出会うことになった。しかも、とびっきりのヤツに。
忘れもしないゼミの初日。礼儀正しく控えめな女子学生が小さなスケッチブックをみせてくれた。パラパラとめくってみると、容姿からは想像もつかないパン キッシュなドローイングが描かれている。しかもモチーフである少女たちの眼はキラキラして気が狂ったように明るく、完全にラリっていた。正常値を軽くオー バーした無防備なまでの酩酊感に目が釘付けとなった。それが抜水摩耶との鮮烈な出会いだ。
翌年、彼女は京都で行なわれたARTBEAT AWARDでグランプリを受賞し、その奔放な作品の魅力が審査員や観覧者を唸らせた。更に進化を遂げた圧倒的な作品が、早くも原石が輝き始めたことを物語っていた。
それからの成長と活躍はご覧の通り。新作を発表するごとに増幅する華やかな狂気は、今後間違いなくより多くの人々を魅了することになるだろう。まったく恐るべき才能である。
抜水摩耶。輝け、狂ったダイアモンド!
伊藤桂司

あの頃の僕は他人の作品に全く興味がなく、何を見ても「ふーん」と素通りするのが 常だった。そんなある日、不意打ちで”食らった”あの衝撃。画面の中の異端の女神たちが放つ強力な怪光線は僕の脳裏を縦横無尽に焼き付くし、ただひたすら にその残像を残した。ものすごい形相で鼻をほじりながら道路にチョークで描いたような無邪気で迷いの無い線、お気に入りの赤い靴とフリルのワンピース姿で 蟻の大群を手のひらですり潰す少女のような可憐で残酷な世界。僕は自分の絵で人を撃ち殺せないものかと本気で考えていた(もちろん物理的にではない)が、 どんな兵器でさえ、突き抜ける無邪気の前では即座に無力化する。抜水摩耶の作品に見事に打ちのめされた。その後抜水さんと初めてお会いするタイミングが あった。挨拶だけの短い対面だったが、心の中では必至に踏ん張っていた。
SHOHEI

一枚の紙の中に到底収まりそうも無い物語を気持ちの良いくらい、いとも簡単に一つ の紙の中で表現してしまう。彼女の作品は連続ドラマやアニメであり、時に長編の映画のようである。四角い世界に凝縮された圧倒的な情報量と迷いの無い線、 縦横無尽に交差する時間軸(抜水時間!)、その世界はとても複雑に入り組み観る者を別世界へ連れて行ってくれる。彼女の生み出す世界から抜け出せなくなる 〈嬉しい〉恐怖心を抱えこの先もずっと、この抜水ワールドの中を探索出来たらと思う。抜水摩耶の生み出す作品は、もしかしたらこの世のどこかに存在するか もしれない、もう一つの世界を描きだしているのではないであろうか。
河村康輔